Obsidianを使っていると、ノートが増えたところで必ず「書いたのは覚えているのに、どこに書いたか分からない」という壁にぶつかります。その解決策としてよく名前が挙がるのが Dataview です。
この記事では、Dataviewの公式ドキュメントで確認できる仕様だけを使って、最初の1つのクエリが動くところまでを解説します。あわせて、2026年のObsidianでは同じことの多くが標準機能(Bases)でできるようになっているため、「そもそもDataviewを入れるべきか」の判断軸も先に示します。
バージョンと数字はすべて2026年9月16日に公式サイトとGitHubで確認したものです。
Dataviewとは?ノートを「データベース」として検索できるプラグイン
Dataviewは、Obsidianのコミュニティプラグインのひとつです。公式の説明文は「あなたのVaultを、問い合わせのできるデータベースとして扱う」というもので、Markdownのメタデータを集めて、表やリストとして自動で並べてくれます。
たとえば「#読書 タグの付いたノートを、評価の高い順に表で出す」「未完了のタスクだけを全ノートから拾う」といったことが、ノートに数行書くだけでできます。一覧を手で作らなくてよくなるのがいちばんの価値です。
| 項目 | 内容(2026年9月16日 確認) |
|---|---|
| 作者 | blacksmithgu |
| ダウンロード数 | 約490万 |
| GitHubスター | 9,341 |
| 最新リリース | 0.5.70(2025年4月7日・ベータ表記) |
| その前のリリース | 0.5.68(2025年3月15日) |
| リポジトリの最終更新 | 2025年11月17日(アーカイブはされていません) |
ここで注目してほしいのはリリース日です。ダウンロード数は圧倒的ですが、最新リリースは2025年4月で、本記事の執筆時点から約1年5か月前です。開発が止まったとまでは言えません(リポジトリ自体は2025年11月に更新されています)が、「毎月のように機能が増えるプラグイン」ではない、という前提で選ぶほうが安全です。
プラグインを選ぶときに更新日を見る習慣については、おすすめプラグインの記事でも同じ基準で整理しています。
先に確認:その用途、標準機能の「Bases」で足りるかもしれません
Dataviewの情報は2021〜2023年ごろに書かれたものが多く、そのまま読むと「一覧表を作るならDataview一択」に見えます。しかし現在のObsidianには Bases(ベース)というコアプラグインがあり、ノートをテーブルやカードで一覧・並べ替え・絞り込みできます。公式ヘルプの説明は次のとおりです。
- Basesはコアプラグイン(追加インストール不要)
- データはすべて手元のMarkdownファイルとそのプロパティのまま。ビューの定義だけを別に持つ
- ビューは
.baseファイルとして保存するか、ノート内のコードブロックに埋め込む - レイアウトはテーブル / リスト / カード / かんばん / マップの5種類(コミュニティプラグインで追加も可能)
つまり「プロパティで絞り込んで一覧にする」だけならBasesで足ります。どちらを使うかは、次の表で判断してください。
| やりたいこと | 向いているほう |
|---|---|
| プロパティで絞り込んで表・カードで見たい | Bases(標準機能・追加インストール不要) |
| かんばんや地図のように見た目を切り替えたい | Bases(ビューを切り替えるだけ) |
本文中の - [ ] タスクだけを全ノートから集めたい | Dataview(TASKクエリ) |
| 文章の途中に「最終更新日」などを埋め込みたい | Dataview(インライン式) |
| 集計や条件分岐など、複雑な処理をしたい | Dataview(DataviewJS) |
| プラグインを増やしたくない | Bases |
迷ったら「まずBasesを触ってみて、できないことが出てきたらDataviewを入れる」という順番がおすすめです。プラグインは入れた数だけ、起動の重さと不具合の原因が増えます。
Dataviewのインストール手順
- 左下の歯車(設定)→ コミュニティプラグイン を開く
- 初回は「制限モード」をオフにする(コミュニティプラグインを使う宣言です)
- 閲覧から
Dataviewを検索してインストール →「有効化」 - ノートの数が多いVaultでは、有効化の直後にインデックス作成が走ります。数十秒〜数分は結果が空のことがあるので、少し待ってから試してください
データの書き方:フロントマターとインラインフィールド
Dataviewは、ノートの中のメタデータを拾って表にします。書き方は2つあります。
① フロントマター(ノート冒頭のYAML)
---
alias: "document"
last-reviewed: 2026-09-16
thoughts:
rating: 8
reviewable: false
---
ノートのいちばん上を --- で囲んだ部分です。Obsidianの「プロパティ」として画面に表示される、あの領域そのものです。
② インラインフィールド(本文の途中に書く)
Dataview独自の記法で、コロン2つ(::)を使います。ここを1つにしてしまうのが、いちばん多いつまずきです。
Basic Field:: Value
**Bold Field**:: Nice!
文章の途中に [field:: inline fields] と書けます。1行に [field2:: 複数] も可能です。
キー名を隠したいときは (field3:: この書き方) を使います。
フロントマターの書き方そのものはMarkdown記法の記事、テンプレートに組み込む方法はテンプレート機能の記事で扱っています。
クエリの4つの書き方
公式ドキュメントは、Dataviewの問い合わせ方法を4つに分けています。
- DQL(Dataview Query Language):
dataviewと指定したコードブロックに書く、SQLに似た言語。ふだん使うのはこれです - インライン式:文章の中に
` = this.file.name `のように書くと、閲覧モードで値に置き換わります - DataviewJS:
dataviewjsブロックにJavaScriptを書く方法。できることは最も多いです - インラインJS式:
` $= dv.current().file.mtime `のように、文章の中でJavaScriptを実行します
まず覚える3つ:LIST・TABLE・TASK
DQLには LIST / TABLE / TASK / CALENDAR の4種類があります。公式ドキュメントはこれを「最初に書く、唯一の必須要素」と説明しています。逆に言えば、これさえ書けば1行でも動きます。
LIST:箇条書きで出す
```dataview
LIST
FROM #読書
```
タグの付いたノートへのリンクが箇条書きで並びます。LISTに追加できる情報は1つだけです(2つ並べることはできません)。
```dataview
LIST file.folder
FROM #読書
```
TABLE:表で出す(いちばん使う)
```dataview
TABLE file.name AS "ノート", rating AS "評価", 読了日
FROM #読書
WHERE rating >= 4
SORT 読了日 DESC
```
AS で列の見出しを変えられます。FROM は探す範囲(タグ・フォルダ・リンク)、WHERE は絞り込み、SORT は並べ替えです。フォルダを指定するときは FROM "読書" のようにダブルクォートで囲みます。
TASK:チェックボックスだけを集める
```dataview
TASK
FROM #プロジェクト
WHERE !completed
```
TASKだけは動き方が違います。公式の説明では、LIST・TABLE・CALENDARが「ページ単位」で動くのに対し、TASKはノート内のタスク単位で動きます。だから「未完了のタスクだけ」が拾えます。しかもここに出たチェックボックスを押すと、元のノート側のチェックも変わります。デイリーノートの運用と相性がよく、デイリーノートの記事で作った日々のメモから、やり残しだけを集める使い方ができます。
GROUP BY でまとめる
```dataview
LIST rows.file.link
GROUP BY type
```
GROUP BY だけを書くとグループ名しか出ません。中身も出したいときは、上のように rows.file.link を追加情報として指定します。ここは最初に必ず引っかかるところです。
DataviewJSを使う前に読んでほしい注意
ネット上には「このコードを貼るだけ」というDataviewJSのスニペットが大量にあります。便利ですが、公式ドキュメントが権限について明記しています。
JavaScriptクエリは、ほかのObsidianプラグインと同じレベルの権限で動きます。つまり、ファイルの書き換え・作成・削除や、ネットワーク通信を行える可能性があります。自分で書いたものか、内容を理解できるもの、信頼できる出所のものだけを使ってください。
通常のDataviewクエリはサンドボックスで動くため、Vaultに悪影響を与えることはできません(そのぶん、できることは限られます)。
要点は「DQLは安全側、DataviewJSは自己責任側」という線引きです。出所の分からないJSを貼るのは、ノートを人に預けるのと同じことだと考えてください。この「プラグイン=ノートへのアクセス権を渡す行為」という見方は、AI連携プラグインの記事でも同じ軸で整理しています。
動かないときのチェックポイント
- コードブロックの言語指定が
dataviewになっているか。data viewやDataviewの打ち間違いが定番です - インラインフィールドのコロンが2つ(
::)か。1つだと、ただの文章として扱われます - インライン式が編集画面では置き換わらないのは仕様です。閲覧モードで確認してください
- DataviewJSが動かないときは、プラグイン設定でJavaScriptクエリが有効になっているかを確認します(既定ではDQLだけの設定になっていることがあります)
- フォルダ名は
FROM "フォルダ名"のように引用符で囲む。タグはFROM #タグで引用符なしです - 結果が空のまま変わらないときは、Obsidianを再起動してインデックスを作り直すと直ることがあります
よくある質問
Dataviewを入れると、ノートのファイルが特別な形式になりますか?
なりません。Dataviewが読むのはフロントマターとインラインフィールドで、どちらもただのテキストです。プラグインを外しても、ノートはMarkdownのまま残ります(クエリを書いたブロックは、ただのコードブロックとして表示されます)。
スマホでもDataviewは使えますか?
使えます。ただしノート数が多いVaultでは、インデックス作成のぶんだけ起動が重くなりやすい点は意識しておいてください。スマホ側の設定はスマホでObsidianを使う記事にまとめています。
BasesとDataviewは両方入れても大丈夫ですか?
問題ありません。どちらも読み取り中心の仕組みで、同じプロパティを別々に参照するだけです。ただし同じ一覧を2か所で作ると、条件を直すときに片方だけ直し忘れます。「一覧はBases、文章に埋め込む値と全ノートのタスク集めはDataview」のように役割で分けるのがおすすめです。
Dataviewはもう開発が止まっていますか?
止まったとは言えません。最新リリースは2025年4月7日の0.5.70ですが、リポジトリ自体は2025年11月にも更新されており、アーカイブもされていません。ただし更新の間隔は開いているので、これから新しくノート運用を組むなら、標準機能のBasesを軸に据えるほうが将来の手戻りは少なくなります。
まとめ
- Dataviewはノートのメタデータを集めて一覧にするコミュニティプラグイン。約490万ダウンロード
- データの書き方はフロントマターとインラインフィールド(
::)の2つ - クエリは LIST / TABLE / TASK / CALENDAR。最初に書く1語が必須で、それだけでも動く
- DataviewJSは他のプラグインと同じ権限で動く。出所の分からないコードを貼らない
- 2026年はまず標準機能のBasesを試し、足りない部分だけDataviewで補うのが失敗しにくい
Obsidianそのものの使い方はObsidianの使い方完全ガイドにまとめています。ノート同士のつなぎ方から整えたい場合は内部リンクの記事、タグとフォルダの使い分けはタグとフォルダの記事もあわせてどうぞ。
出典
- Obsidian公式プラグインディレクトリ「Dataview」(作者・ダウンロード数・公式説明・4つのクエリモード・インラインフィールド記法・JavaScriptクエリの権限に関する注意/2026年9月16日確認)
- GitHub「obsidian-dataview / Releases」(0.5.70=2025年4月7日、0.5.68=2025年3月15日/2026年9月16日確認)
- Dataview公式ドキュメント「Query Types」(LIST・TABLE・TASK・CALENDARの仕様、TASKだけ動作単位が違うこと、LISTの追加情報は1つまで/2026年9月16日確認)
- Obsidian Help「Introduction to Bases」(Basesはコアプラグイン・データはローカルのMarkdownとプロパティ・
.baseファイル/コードブロック埋め込み・ビュー5種/2026年9月16日確認)

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