「ノートアプリを1つに決めたいが、ObsidianとNotionのどちらにすべきか」で止まっている方向けに、両社の公式ページで確認できる事実だけを並べます。数字と仕様はすべて2026年9月10日に公式サイトで確認したものです。
結論から言うと、この2つは同じ用途を奪い合う競合ではありません。決め手になるのは機能の多さではなく、ノートを誰の手元に置くかと1人で使うかチームで使うかの2点です。
【結論】迷ったときの選び分け
| こういう人 | 向いているのは | 理由(公式で確認できる事実) |
|---|---|---|
| 1人で長く書きためたい | Obsidian | ノートは自分のパソコンのフォルダにMarkdownのテキストファイルとして置かれる |
| 電波が無い場所で書く | Obsidian | ファイルが手元にあるので前提としてオフライン。Notionは事前にページを個別ダウンロードする必要がある |
| チームで同じ表を編集したい | Notion | データベース・権限設定・チームスペースが標準機能 |
| スマホから他人に共有したい | Notion | ページ共有が標準。Obsidianの公開はPublish(月8ドル/サイト)が必要 |
| 費用をゼロに抑えたい | どちらでも可 | Obsidianは本体が無料、Notionはフリープラン0円 |
料金:無料の範囲と、お金がかかる場所が違う
いちばん誤解されやすいところです。Obsidianは「本体が無料で、付加サービスが有料」、Notionは「人数×月額」という、そもそも課金の形が違います。
Obsidianの料金(2026年9月10日時点・公式表示)
| 項目 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| 本体 | 無料 | 公式は「Free without limits.(制限なしで無料)」「No sign-up required.(登録不要)」と表示 |
| Obsidian Sync | 月4ドル(1ユーザー・年払い) | 端末間の同期。エンドツーエンド暗号化・バージョン履歴 |
| Obsidian Publish | 月8ドル(1サイト・年払い) | ノートをWebサイトとして公開 |
| Catalyst | 25ドル(買い切り) | ベータ版への早期アクセス。任意の支援 |
| Commercial(商用) | 年50ドル(1ユーザー) | 組織での業務利用を支援するライセンス |
🔍 ここが日本語の解説記事でよく間違われています。「仕事で使うなら年50ドルの商用ライセンスが必要」と書かれていることがありますが、公式のFAQは「必要ない」と明言しています。原文は「Do I have to pay for commercial use?(商用利用には支払いが必要ですか)」に対して “No. You are not required to pay for a commercial license”(いいえ、商用ライセンスの購入は必須ではありません)で、続けて、組織で仕事に使っているならObsidianの独立を保つために購入を「奨励する」という書き方になっています。義務ではなく支援の位置づけです。
なお学生・教職員・非営利団体の職員はSyncとPublishが40%割引、返金はSyncとPublishのみ購入後7日以内なら全額で、Catalystと商用ライセンスは返金不可と明記されています。
Notionの料金(2026年9月10日時点・日本円表示)
| プラン | 年払い | 月払い |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 0円 |
| プラス | 1,650円/メンバー・月 | 2,000円/メンバー・月 |
| ビジネス | 3,150円/メンバー・月 | 3,800円/メンバー・月 |
| エンタープライズ | カスタム料金(営業への問い合わせ) | |
公式には「年間プランで最大20%お得に」「日本の消費税(該当する場合)」と併記されています。Notionは人数ぶんかかるので、5人のチームでプラスを年払いにすると月8,250円です。一方Obsidianは、5人が本体を使うだけなら0円、全員がSyncを使っても月20ドルです。
データの持ち方:この違いが後から一番効いてくる
機能の差より、こちらのほうが長く使ううえでは重要です。
Obsidianの公式ヘルプは、保存の仕組みをこう説明しています。「Obsidianはノートを、vault(保管庫)の中にMarkdown形式のプレーンテキストファイルとして保存します。vaultとは、あなたのローカルファイルシステム上のフォルダのことです」。続けて「ノートはプレーンテキストファイルなので、他のテキストエディタやファイルマネージャーで編集・管理できます」とも書かれています。
つまり、Obsidianというアプリが将来なくなっても、フォルダの中の .md ファイルはメモ帳で開けます。同期先も Obsidian Sync のほかに Dropbox・iCloud・OneDrive・Git などが公式に挙げられています(同期方法の比較はこちらの記事にまとめています)。
Notionはクラウド側にデータがあり、公式ヘルプも「Notionのデータは常にクラウドにバックアップされます」と書いています。手元に取り出したいときはエクスポートを使いますが、形式ごとに落ちる情報があります。
- マークダウンとCSV:データベース以外のページはMarkdown、フルページデータベースはCSV、その子ページはMarkdownになります
- ⚠️ コールアウトブロックだけはMarkdownに相当する書き方が無いため、HTMLとして書き出されます(公式の明記)。Notionでコールアウトを多用している人ほど、移行後の見た目が崩れます
- ワークスペース全体のエクスポートは、サイズによっては処理に最大30時間かかり、ダウンロードリンクの有効期限は7日間です
- サブページを含むPDFの一括エクスポートはビジネス/エンタープライズプラン限定です
- データベースの「フォーム」ビューは現時点でエクスポートできません(テーブルビューから出す必要があります)
「いつでも出せるから同じ」ではなく、出したときに何が崩れるかまで含めて選ぶのが正確です。
オフラインで使えるか:ここが最大の差
Obsidianはファイルが手元にあるので、オフラインが前提です。ネットに繋がっていなくても開いて書けます。
Notionにもオフラインモードがありますが、条件が細かいので、公式ヘルプの内容をそのまま整理します。「Notionはオフラインで使えない」も「オフライン対応済み」も、どちらも雑な言い方です。
- 使えるのはデスクトップアプリかモバイルアプリだけ。Webブラウザでは利用できません
- ページは個別にダウンロードが必要(ページ上部の
•••→「オフラインで利用可能」をオン)。有料プランなら最近アクセスしたページとお気に入りは自動でダウンロードされます - ⚠️ ダウンロードしたページの中にある子ページは、自動ではダウンロードされません。重要な子ページは個別に指定する必要があります
- ⚠️ データベースは「最初のビューの先頭50行」だけがダウンロードされます。よく使うビューを最初に置いておく、という運用上の工夫が要ります
- オフライン中に使えないもの:他アプリからの埋め込み・AIブロック・フォーム・ボタン。ページの共有と権限の編集もできません
- 複数人がオフラインで同じデータベースのセレクトプロパティを編集した場合、最終的に残る更新は1つだけと公式が注意しています
飛行機・地下・山の中でも「開けば必ずそこにある」状態を求めるならObsidian、ふだんは繋がっている前提で、たまのオフラインに備えたいならNotionでも足ります。
プライバシーの扱いも明文化のされ方が違う
Obsidianは料金ページのFAQで、「データは端末にローカル保存されるため、私たちからはアクセスできません」「アプリはテレメトリデータを収集せず、ユーザーデータを販売することは決してありません」と書いています。Obsidian Syncを使う場合もAES-256のエンドツーエンド暗号化で、事業者側から読めないと明記されています。
これはNotionが危ないという意味ではありません。クラウド型は事業者のサーバーにデータを預ける仕組みである以上、前提が違うというだけです。業務の機微情報を扱うなら、この違いは社内規程の側で問題になりやすいところです。
「どちらか1つ」に決めなくてもいい
実際には、役割で分けている人が多い組み合わせです。
- Notion:他人と共有するもの(チームの議事録、進行中の案件表、外に見せる資料)
- Obsidian:自分だけが読むもの(調べたことの蓄積、下書き、日々のメモ)
Obsidian側は、Web Clipperで読んだページを取り込み、スマホからも同じvaultを開き、AIプラグインで検索や要約をさせるという形にすると、蓄積したぶんがそのまま効いてきます。使い方の全体像はObsidianの使い方完全ガイドにまとめています。
NotionからObsidianへ移すときの注意
- エクスポートは「マークダウンとCSV」を選び、「サブページを含める」をオンにする。オフだと階層が失われます
- コールアウトはHTMLで出てくるので、移行後に手直しが要ります。数が多いなら移行前にNotion側で普通の段落へ直したほうが早いことがあります
- データベースはCSVになるので、Obsidian側では表として持つのか、1ノート1行に分けるのかを先に決めておきます
- ワークスペース全体を出すなら時間に余裕をみる(最大30時間・リンクの有効期限は7日)
- 移し終えるまでNotion側のデータは消さない。エクスポートしたものを再アップロードしても、公式が言うとおりワークスペースがそのまま復元されるわけではありません
よくある質問
Obsidianを仕事で使うのに、お金を払う必要はありますか?
必要ありません。公式FAQが「商用ライセンスの購入は必須ではない」と明言しています。ただし組織で業務に使っている場合は、開発を支える目的での購入が奨励されています(1ユーザーあたり年50ドル)。
Notionは完全にオフラインで使えますか?
条件つきです。デスクトップアプリかモバイルアプリが必要で(ブラウザは不可)、使いたいページを事前にダウンロードしておく必要があります。データベースは最初のビューの先頭50行まで、埋め込み・AIブロック・フォーム・ボタンはオフラインでは動きません。
Notionのデータをあとから取り出せますか?
取り出せます。PDF・HTML・「マークダウンとCSV」の3形式が用意されています。ただしコールアウトブロックはHTMLとして書き出され、ワークスペース全体のエクスポートは最大30時間かかる場合があります。
2つを併用すると、ノートが散らかりませんか?
「他人と共有するものはNotion、自分だけが読むものはObsidian」のように、置き場所ではなく読み手で分けると迷いにくくなります。同じ情報を両方に書くと必ず食い違うので、片方は必ずリンクで参照する形にしてください。
まとめ
- Obsidian:本体無料。ノートは自分のフォルダのMarkdownファイル。オフラインが前提。共有と同期は有料オプション
- Notion:フリープランあり。人数×月額(年払いのプラスで1,650円)。共有とデータベースが標準。オフラインは条件つき
- 迷ったら「そのノートを他人が読むか」で分けるのが、いちばん外れにくい基準です
Obsidianを選んだ場合の始め方はObsidianの使い方完全ガイドから順に読めます。プラグインで機能を足していく段階になったらおすすめプラグインの記事もどうぞ。
出典
- Obsidian「Pricing」(Sync・Publish・Catalyst・Commercialの料金、商用利用のFAQ、割引・返金/2026年9月10日確認)
- Obsidian Help「How Obsidian stores data」(Markdownのプレーンテキスト・vaultはローカルのフォルダ/2026年9月10日確認)
- Notion「料金プラン」(日本円表示・年払い/月払い/2026年9月10日確認)
- Notionヘルプ「オフラインでページを使用する」(対応アプリ・個別ダウンロード・データベース50行・使えないブロック/2026年9月10日確認)
- Notionヘルプ「コンテンツのエクスポート」(形式ごとの仕様・コールアウトのHTML化・全体エクスポートの所要時間/2026年9月10日確認)

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