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HTTP2Shell(Brotliの脆弱性)とは?Node.js以外も関係ある?

HTTP2Shell(Brotliの脆弱性)とは?Node.js以外も関係ある?

「HTTP2Shell」は、Google の圧縮ライブラリ Brotli の展開処理にある欠陥(CVE-2026-111497)の呼び名です。2026年10月21日の Node.js のセキュリティリリースで最も重大とされた件ですが、原因は Brotli 本体にあり、Bun・Python・.NET・Windows 版 PHP・Linux などにも修正が出ています。この記事では、Node.js 以外への広がりと「自分に関係あるか」を、開発元・各社・公的機関の公式発表だけで整理します(確認:2026年10月28日3:16〜3:23、日本時間)。

【結論】

  • 何の欠陥か:Brotli 1.0.3〜1.2.0 の展開(デコード)処理での範囲外書き込み。修正版は 1.0.10・1.1.1・1.2.1 です。
  • 関係する人:外から受け取った Brotli データを展開するソフトを動かしている人。Node.js・Bun・Python・.NET・PowerShell 7・Windows 版 PHP・Linux の brotli パッケージに修正が出ています。
  • レンタルサーバー:主要9社のお知らせに告知はありません(2026年10月28日3:20確認)。
  • ブラウザ・OS:Chrome・Windows・macOS・iOS の公式告知はありません。
  • 悪用:米国CISAの「悪用が確認された脆弱性」のカタログ(KEV)には載っていません。
目次

HTTP2Shell とは

CVE 番号を割り当てた Google の記載(CVE レコード)では、Brotli のデコーダ(c/dec/decode.c)のバッファオーバーフローで、全プラットフォームの 1.0.3〜1.2.0 が対象です。細工した圧縮データにより、認証なしの遠隔の攻撃者がメモリの破壊・漏えい・サービス停止、場合によっては任意のコード実行を起こせるおそれがあるとしています。

  • 修正版:Google Brotli のリリース一覧で、v1.2.1・v1.1.1・v1.0.10 が2026年10月22日4:27ごろ(日本時間。協定世界時では10月21日19:27)に公開されました。
  • 深刻度:Google は CVSS v4 で 9.2(Critical)、Red Hat と Microsoft は CVSS v3.1 で 8.1、Node.js と Bun は「High」です。
  • 呼び名:JPCERT/CC は、Node.js の公表に関連して「Node2Shell」と呼ばれていたが、原因が HTTP 通信で使われる Brotli にあり複数の製品が影響を受けるため「HTTP2Shell」とも呼ばれている、と説明しています。

攻撃の条件について、Red Hat は、攻撃には標的のソフトが攻撃者の用意した Brotli データを展開する必要があり、特定の壊れたデータで起きると説明しています。

どこに Brotli が入っているか(影響範囲の早見表)

2026年10月28日3:16〜3:23(日本時間)に各社の公式ページで確認した内容です。

製品修正版・対応公式告知悪用の記載
Google Brotli(本体)1.0.10・1.1.1・1.2.1あり記載なし
Node.jsv22.23.4・v24.22.1・v26.12.1あり記載なし
Bun1.4.4あり記載なし
Python の Brotli/brotlicffiBrotli 1.2.1・brotlicffi 1.2.1.0あり記載なし
.NET・PowerShell 7・Visual Studio.NET 8.0.33・9.0.22・10.0.14 ほか、PowerShell 7.4.22・7.5.13・7.6.9あり「Exploited: No」
PHP(Windows 版ビルド)8.5.12-1・8.4.27-1・8.3.36-1・8.2.35-1あり記載なし
Linux(Ubuntu・Red Hat・Debian)各ディストリビューションの brotli パッケージあり記載なし
Palo Alto NetworksPAN-OS の hotfix を順次公開(Brotli の検査を有効にした場合が対象)あり悪用は把握していない
Fortinet自社製品への影響を調査中あり「Known Exploited: No」
Chrome―告知なし―
Firefox―Mozilla の告知なし―
Windows 本体・macOS・iOS―告知なし―
主要レンタルサーバー―告知なし―
  • Bun:fetch は初期設定で Brotli の応答を自動で展開するため、接続先のサーバーが展開処理にデータを送れるとしています。bun build –compile で作った実行ファイルは 1.4.4 で作り直します。
  • .NET:ASP.NET Core と HttpClient は初期設定では Brotli を自動で展開せず、展開を有効にした場合などに影響するとしています。Microsoft の対象製品に Windows 本体や Edge は含まれていません。
  • Linux:Ubuntu(USN-8956-1)・Red Hat(RHEL 8・9・10)・Debian(DSA-6582-1 ほか)が更新を出しています。版番号は本体と異なり、Ubuntu 22.04 LTS の修正版は 1.0.9-2ubuntu0.1 です。
  • Firefox:Red Hat は RHSB-2026-015 で Firefox が Brotli を組み込んでいるとし、RHEL 向けは 140.10.0(2026年4月)を修正済みと記録しています。Mozilla の告知に CVE-2026-111497 は見当たりません。

自分に関係ある? 使い方別の切り分け

Node.js や Bun を使っている

Node.js は v22.23.4・v24.22.1・v26.12.1 以降に更新します。手順や同時に直った9件はNode.jsの脆弱性10件、自分は対象?修正版と今やること【2026年10月】にまとめています。Bun は 1.4.4 以降に更新します。

Windows で PHP を動かしている

php.net は2026年10月26日20:57(日本時間)、Windows 版ビルドを Brotli 1.2.1 入りに作り直しました。欠陥のある処理に届くのは cURL 拡張で HTTP 応答の自動展開を有効にした場合で、「This is disabled by default in cURL」(cURL の初期設定では無効)としつつ、アプリやライブラリが有効にすることもあると書いています。PHP 本体の版は変わりません。Linux 版の PHP についての記載はありません。

レンタルサーバーで WordPress などを運用している

エックスサーバー・シンレンタルサーバー・さくらのレンタルサーバ・ロリポップ!・ConoHa WING・お名前.com レンタルサーバー・CPI・ヘテムル・mixhost のお知らせ一覧に、Brotli・HTTP2Shell・CVE-2026-111497 の告知はありませんでした(2026年10月28日3:19〜3:20確認)。さくらインターネットの10月26日の「対応状況まとめ」も、対象は PHP と Linux カーネルです。

同じ時期の PHP の脆弱性(PHP2Shell)は別の件で、各社の対応はPHP脆弱性php2shell、各社の対応状況まとめ【毎日更新】で追っています。VPS など OS を自分で管理するサーバーは brotli パッケージを更新します。Ubuntu は「通常のシステム更新で必要な変更がすべて行われる」としています。

パソコンやスマホでブラウザを使うだけ

Chrome・Windows・macOS・iOS の公式告知はありません。.NET・PowerShell 7・Visual Studio を入れている場合は、Microsoft の更新ガイドの版へ更新します。

今やること

  • 早見表で使っている製品を確かめ、修正版に更新して、動いているサービスやアプリを再起動します。
  • すぐに更新できない場合、Bun は fetch に decompress: false を渡す、.NET は Brotli の自動展開を外す、Palo Alto Networks は Brotli の検査を無効にする回避策を示しています。
  • JPCERT/CC は、対策の適用とあわせて侵害の有無の調査を求めています。
  • 共用のレンタルサーバーは、契約先のお知らせを引き続き確認します。

公的機関の注意喚起

JPCERT/CC は2026年10月26日、「BrotliのC言語実装における境界外書き込みの脆弱性(CVE-2026-111497)に関する注意喚起」(JPCERT-AT-2026-0034)を公開しました。影響を受ける製品に Node.js・Bun・Python 向け Brotli パッケージなどが含まれるとし、各開発元の情報で影響と対応状況を確認するよう求めています。JVN も同じ日に「JVNVU#97400824」を公開しました。IPA の重要なセキュリティ情報には、2026年10月28日時点で掲載はありません。

公式に書かれていないこと・現時点でわからないこと

  • 悪用の有無:CISA の KEV(2026年10月26日版)に載っておらず、CVE レコードにある CISA の評価(10月23日)は「Exploitation: none」です。
  • 呼び名の由来:誰が名付けたかは、公式の文書に書かれていません。
  • ブラウザ・OS・レンタルサーバー:Chrome・Windows・macOS・iOS と主要レンタルサーバー各社は、影響の有無を公表していません。Fortinet は調査中です。

PHP の脆弱性そのものはPHPの重大脆弱性php2shellは自分のサイトも対象?修正版と確認手順で取り上げています。

よくある質問

HTTP2Shell と Node2Shell は別の脆弱性ですか?

同じ脆弱性(CVE-2026-111497)です。JPCERT/CC と JVN は、どちらも Brotli の展開処理にある同じ欠陥の呼び名として説明しています。

Node.js を使っていないレンタルサーバーの WordPress も対策が必要ですか?

2026年10月28日3:20時点で、主要なレンタルサーバー各社のお知らせに Brotli・HTTP2Shell の告知はなく、利用者向けの手順も公表されていません。契約先のお知らせを確認してください。PHP の脆弱性(PHP2Shell)は別の件です。

Chrome や Windows の更新は必要ですか?

Chrome と Windows 本体について、この欠陥に関する公式の告知はありません。Microsoft は .NET・PowerShell 7・Visual Studio を対象としているため、これらを入れている場合は更新してください。

すでに攻撃に悪用されていますか?

2026年10月28日時点で、米国CISAの KEV に CVE-2026-111497 は載っていません。Red Hat は、クラッシュを起こす実証コードは公開されているものの、確実なリモートコード実行の公開エクスプロイトは確認されていないとしています。

あわせて読みたい:PHP2Shell(CVE-2026-109618/109619)の影響製品一覧

参考(確認日時:2026年10月28日3:16〜3:23)

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