見慣れない「+1」から始まる電話番号から着信があり、不安を感じてこの記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
先に結論からお伝えすると、「+1」は北米(アメリカ・カナダなど)の国番号です。国民生活センターは「心当たりのない国際電話は詐欺の電話である可能性が高いです」と注意を呼びかけています。
たとえ心当たりがあったとしても、安易に折り返し電話をしてはいけません。
この記事では、「+1」から始まる電話番号の正体と、もし電話に出てしまった場合の対処法、着信拒否の設定方法を解説します。

「+1」から始まる電話番号の正体と国番号の仕組み
スマートフォンの画面に表示される「+1」という表記は、国際電話における「国番号」を指しています。
着信画面に「+」が表示されず、「1201…」のように「1」から始まる11桁で見えることもあります。たとえば「1201」は「+1 201」(アメリカ・ニュージャージー州のエリアコード)と読める表示です。詳しくは1201から始まる電話番号の解説をご覧ください。
これは北米電話番号計画(NANP)に組み込まれた地域を示すもので、具体的にはアメリカ合衆国、カナダ、そしてバミューダ諸島やカリブ海の国々が含まれます。なお日本の国番号は「+81」で、日本の番号なのに「+81」で着信する理由は+81から始まる電話番号はどこの国?をご覧ください。
日本国内にいる限り、これら北米地域に家族や友人がいないのであれば、「身に覚えのない不審な電話」として扱うのが安全です。
国民生活センターも「心当たりのない国際電話は詐欺の電話である可能性が高いです」として、知らない番号からの国際電話には出ない・折り返さないよう呼びかけています。
参考:国民生活センター「海外からの知らない国際電話が増えています!迷惑な国際電話は無視しましょう ブロックも有効です」(2025年8月6日)
なぜ海外の番号から電話がかかってくるのか
インターネット回線を利用した「VoIP(IP電話)」などでは、発信元の番号を偽って表示させることもできるため、表示された番号だけで発信場所は断定できません。
見慣れない国際番号からの着信で動揺を誘い、公的機関や企業を名乗って指示に従わせようとする手口があります。
「1855」「1877」「1844」などの特定番号に注意
特に「+1」に続いて、「1855」「1877」「1844」「1800」といった数字から始まる番号にも注意しましょう。
これらは北米において「トールフリー(着信者課金)」、日本でいうところの「フリーダイヤル(0120)」に相当する番号帯です。
番号自体は正規の企業も使うものですが、企業やカスタマーサポートを名乗り、自動音声で「未払いの料金がある」「アカウントが停止された」といった偽の警告を流す手口もあるため、心当たりがなければ出ない・折り返さないのが安全です。




「+1」のあとの3桁で分かる地域(北米エリアコード早見表)
「+1」に続く3桁は「エリアコード(NPA)」で、アメリカの州やカナダの州などに割り当てられています。日本からよく見かける番号を、北米の番号管理機関のNANPA(North American Numbering Plan Administrator)の NPA データベース(2026年10月8日付のデータを当サイトで2026年10月9日に確認)で調べると、次のとおりです。
| 「+1」のあとの3桁 | NANPA に登録されている地域 | 補足・関連記事 |
|---|---|---|
| 201 | ニュージャージー州(アメリカ) | 1201から始まる電話番号 |
| 202 | ワシントンD.C.(アメリカ) | |
| 212・332・646 | ニューヨーク州(アメリカ) | 同じ地域に重ねて割り当てられた番号(オーバーレイ) |
| 213・415 | カリフォルニア州(アメリカ) | |
| 252・919・984 | ノースカロライナ州(アメリカ) | |
| 305・656 | フロリダ州(アメリカ) | 656は2022年2月22日から使用 |
| 312・773・872 | イリノイ州(アメリカ) | 872は312・773と同じ地域に重ねた番号(2009年11月7日から使用) |
| 614 | オハイオ州(アメリカ) | |
| 617 | マサチューセッツ州(アメリカ) | |
| 819・873 | ケベック州(カナダ) | 873は2012年9月15日から使用 |
| 800・888・877・866・855・844・833 | 地域なし(北米全体のトールフリー) | 888/877/866/855/844/833 |
エリアコードで分かるのは「その番号がどの地域に割り当てられているか」だけです。発信者番号は偽装されることもあるため、表示された番号から相手が実際にその州にいるとは断定できません。800・888などのトールフリー番号は地域に結びつかない番号で、州や都市は分かりません。心当たりがなければ、どの地域の番号でも出ない・折り返さないのが基本です。
「+1」から始まる詐欺電話の巧妙な手口
最近の国際電話詐欺は、単に電話をかけるだけでなく、非常に巧妙な心理戦を仕掛けてきます。
彼らの目的は、あなたの個人情報を引き出すこと、あるいは「国際電話の折り返し」をさせて高額な通話料を発生させる(国際ワン切り詐欺)ことにあります。
総務省やNTTを騙る自動音声ガイダンス
電話に出ると、「こちらは総務省です。あなたの電話はあと2時間で利用停止になります」といった録音された音声が流れるパターンです。
「詳細を確認する場合は『1』を押してください」と促され、指示に従うと、警察官や役所職員を名乗る詐欺師に繋がります。
総務省は公式サイトで「総務省では、電話を停止することに関して、個人に電話をすることは一切ありません」と注意を呼びかけています。
偽のカスタマーサポートによるウイルス感染詐欺
マイクロソフトやAmazonといった大手企業のサポートセンターを装い、「あなたのパソコンに異常が検知されました」と警告する手口です。
遠隔操作ソフトをインストールさせたり、サポート費用の名目で電子マネーを要求したりする手口です。
本物の企業がこうした警告を電話で一方的に伝えてくることは考えにくいため、心当たりがなければすぐに電話を切りましょう。
もしも「+1」からの電話に出てしまった時の対処法
「うっかり知らない番号に出てしまった」「何秒か通話してしまった」という場合でも、パニックになる必要はありません。
大切なのは、その後の行動を正しく行うことです。

すぐに電話を切り、こちらからかけ直さない
電話に出てしまっても、すぐに切り、相手に個人情報を伝えていなければ、大きな問題になることは少ないとされています。
避けたいのは、相手の指示に従ってボタンを押したり、折り返し電話をかけたりすることです。
折り返すと自分から海外へ電話をかけることになり、国際通話料がかかります。
不安を感じる場合の相談窓口
万が一、相手に個人情報を伝えてしまったり、金銭を支払ってしまったりした場合は、すぐに最寄りの警察署にある「#9110(警察相談専用電話)」へ連絡してください。
また、迷惑電話によるトラブルに強い弁護士や専門の相談窓口を利用することも、被害を最小限に抑えるための有効な手段です。
iPhoneとAndroidで「+1」からの着信を拒否する設定方法
「+1」から始まる不審な電話が続く場合は、スマートフォンの機能で着信を止める方法があります。
iPhoneでの設定(不明な発信者の消音)
iPhoneには「不明な発信者を消音」という非常に便利な機能が備わっています。
「設定」→「アプリ」→「電話」と進み、「不明な発信者をスクリーニング」で「消音」を選ぶだけで(iOSのバージョンによっては「不明な発信者を消音」をオン)、連絡先に登録されていない番号からの着信を自動的に留守番電話へ回し、通知を鳴らさないようにできます。
Androidでの設定とキャリアサービスの活用
Android端末の場合は、「電話」アプリの「設定」から「ブロック中の番号」を選び、「不明な発信者」をブロックする設定が一般的です。
固定電話の場合は、国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)に申し込むと、国際電話の発着信を無料で休止できます(国民生活センター)。携帯電話では、迷惑電話対策のサービスや端末の設定を使います。くわしくは国際電話の着信拒否の解説をご覧ください。
なお、電気通信事業者協会(TCA)は、IP電話などを第三者に不正利用されて国際電話をかけられる被害について、国際電話の利用休止などの対策を案内しています(TCA「第三者によるIP電話等の国際電話不正利用について」)。
迷惑電話ブロックアプリの導入
より高度な対策として、「Whoscall(フーズコール)」などの迷惑電話対策アプリを導入するのも一つの手です。
迷惑電話の情報と照合し、着信時に注意の表示を出してくれるため、出るかどうかの判断材料になります。
今後の被害を防ぐためのセキュリティ対策
電話番号だけでなく、あなたの個人情報がどこからか漏れている可能性も否定できません。
防犯機能付き電話機の導入(固定電話の場合)
もし、ご自宅の固定電話にも「+1」などの不審な着信がある場合は、警告音を流したり自動で録音したりする「防犯機能付き電話機」への買い替えを検討してください。
着信時に「この通話は録音されます」といった警告メッセージを流せる機種もあり、不審な電話への備えになります。
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同じ北米からの着信でも、端末によっては「+1」ではなく「0101…」と表示されることがあります。この「010」の意味は010から始まる電話番号は何?で解説しています。
「+1」から始まる電話番号のよくある質問
Q. 「+1」から始まる電話はどこの国からですか?
A. 「+1」は北米電話番号計画(NANP)の国番号で、アメリカ・カナダのほか、カリブ海の一部の国・地域などが使っています。続く3桁のエリアコードで割り当て先の地域は分かります(上の早見表)が、発信者番号は偽装されることもあるため、表示だけで発信元は断定できません。
Q. 「1800」「1855」「1844」から始まる番号はどこの州ですか?
A. 800・888・877・866・855・844・833はNANPAが「トールフリー(通話料を受け手が払う番号)」用に割り当てている番号帯で、特定の州や都市には結びついていません。そのため番号から地域は分かりません。番号ごとの解説は1855・1844・833の記事をご覧ください。
Q. 「+1」の電話に出てしまいました。どうすればいいですか?
A. すぐに切り、ボタン操作や折り返しはしないでください。個人情報を伝えた・お金を払ってしまったなどの場合は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署に相談してください。出てしまった後の確認事項は国際電話に出てしまったときの対処法、着信を止める方法は国際電話の着信拒否(国際電話不取扱受付センター)で解説しています。
あわせて読みたい:855から始まる電話番号はどこ?(+1 855と+855の違い)
まとめ
「+1」から始まる電話番号は、北米(アメリカ・カナダ等)の国番号を使った国際電話です。国民生活センターも、心当たりのない国際電話は詐欺の電話である可能性が高いとしています。
「1855」や「1877」といった番号が含まれる場合は特に警戒し、決して折り返し電話をかけてはいけません。
万が一出てしまった場合でも、すぐに通話を終了し、スマートフォンの着信拒否設定やキャリアのブロックサービスを活用して、自身の安全を確保してください。
不審な電話に惑わされないための第一歩は、「知らない番号には出ない、かけ直さない」という鉄則を守ることにあります。

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