スマホに突然「+1」から始まる見慣れない番号が表示されて、驚いたことはありませんか。
「アメリカからの電話って聞いたことがあるけど、本当に危ないのか」「一度出てしまったけれど、高額な料金はかからないのか」など、不安になって検索している方も多いはずです。
この記事では、+1から始まる電話番号の正体と、想定される危険性、そして具体的な対処法を整理して解説します。
国内の「1から始まる電話番号」との違い、電話に出てしまった・折り返してしまった場合のチェックポイント、今後のために設定しておきたいブロック方法まで、順番に見ていきましょう。
+1から始まる電話番号の正体

+1はどこの国番号?どんな地域を示すのか
国際電話には「国番号」と呼ばれる数字が決められており、日本は「81」、アメリカとカナダは「1」が割り当てられています。
スマホに「+1 〜」と表示される場合、アメリカ・カナダを中心とした北米地域からの国際電話であることを意味します。
「+」は、国際電話をかける際のプレフィックス(国際電話識別番号)を示す記号で、実際には各国で定められた番号(日本なら010)を自動的に置き換えて表示しているだけです。
そのため、「+1」で始まっていれば、基本的には海外(北米)からの着信として扱って問題ありません。
ただし、発信元の番号表示は技術的に偽装できるため、「+1だから必ずアメリカ在住の相手」というわけではありません。
詐欺グループが+1から始まる番号を装って日本国内に電話してくる事例も各地で報告されています。
スマホに表示される「+1」の見え方と、国際電話の仕組み
日本国内からアメリカに電話をかけるときは、通常
「010(国際電話識別番号) + 1(国番号) + 市外局番 + 相手の番号」
という形式になります。
一方、受ける側のスマホ画面では、国際電話は「+国番号〜」という形で表示されるのが一般的です。
- アメリカ・カナダなど北米地域からの着信 → 「+1 〜」
- イギリスからの着信 → 「+44 〜」
- 日本の番号からの着信 → 「+81 〜」になる場合もある
このように、「+」が付いていれば海外からの電話と考えてよく、+1であれば北米地域からの着信だと読み取れます。
国内の「1から始まる番号」と「+1から始まる電話番号」の違い
ここで紛らわしいのが、国内の「1から始まる電話番号」と、国際電話の「+1から始まる電話番号」の違いです。
日本国内で「1」から始まる番号は、緊急通報や公的サービス、情報提供サービスなど、特定の用途に割り当てられた「特別な番号」であることが多く、「110」「119」などが代表例です。
これらは国内で完結する番号であり、スマホ画面に「+」が付いて表示されることは通常ありません。
一方、「+1」で始まる番号は、あくまで国際電話の国番号です。
表示が「+1〜」であれば、それは国内の特番ではなく、海外から来ている国際電話として扱うのが基本です。
なぜ「+1から始まる電話番号」が危険と言われるのか

すべてが詐欺ではないが、警戒すべき理由
+1から始まる電話番号は、正当なビジネス連絡や、海外に住む家族・知人からの電話である可能性ももちろんあります。
しかし近年、日本国内では国際電話番号を悪用した特殊詐欺や国際ワン切り詐欺が増えていることから、注意喚起が頻繁に行われています。
特に「頭に+が付く番号」については、国際電話をかたる詐欺の報告が多く、「心当たりのない+1から始まる電話番号」は最初から疑ってかかるくらいでちょうどよいと考えられます。
代表的な国際電話詐欺の手口
+1を含む国際電話番号で使われる手口には、おおむね次のようなものがあります。
- 国際ワン切り詐欺
着信を1〜2コールだけ鳴らしてすぐ切り、折り返し電話をさせる手口です。
折り返すと高額な通話料が設定された番号につながり、長く通話させられることで高額請求につながるおそれがあります。 - 自動音声による架空請求・なりすまし
電話に出ると自動音声で「未納料金があります」「電気が止まります」「裁判になります」と不安をあおり、操作番号(「1を押してください」など)を押させてオペレーターにつなぐ手口です。
相手は大手企業や公的機関を名乗ることが多く、金銭や個人情報をだまし取ろうとします。 - 生存確認・リスト作成目的の無言電話
無言で数秒だけつながり、すぐ切れる電話もあります。
これは「この番号が現在使われているか」「電話に出やすい人か」を確認し、詐欺グループ間で売買される名簿を作る目的の場合があります。
どのパターンでも共通するのは、「相手に折り返しさせる・長く話させる・個人情報やお金の話に持ち込む」という点です。
+1以外でも注意したい国際番号の例
危険があるのは+1だけではありません。
イギリスの+44、アフリカや中東の一部の国番号、ソマリアの+252、ナイジェリアの+234など、特定の国番号からの不審電話の相談が多いとされています。
また、特定の料金体系が設定された番号や、実在しない地域コードを組み合わせた番号が使われるケースも報告されており、「見覚えのない国番号+知らない番号」の組み合わせは、基本的に出ない・折り返さないことが重要です。
「+1から始まる電話番号」に出てしまった/折り返してしまったとき
電話に出ただけで高額請求が発生する可能性は?
多くの人が最初に心配するのが、「電話に出ただけで高額請求が発生するのでは」という点です。
日本国内で、一般的な携帯電話やスマホの契約を利用している場合、国内にいる状態で海外からの電話を受けても、受ける側に通話料がかからないのが通常です。
一方で、海外旅行・出張などで海外ローミング中に電話を受ける場合は事情が変わります。
海外にいるときは、相手が誰であっても、電話を受けるだけで「着信料」がかかる料金体系が多く、着信側にも料金が発生します。
したがって、
- 日本国内にいる場合
→ 電話に出ただけで、いきなり国際電話の高額請求が来る可能性は高くありません。 - 海外ローミング中の場合
→ 相手が誰であっても、着信だけで料金が発生し得るため、「不審な番号には極力出ない」ことがより重要になります。
いずれの場合も、具体的な料金は契約している通信会社やプランによって異なるため、心配なときは利用明細やマイページで実際の通話履歴と料金を確認することが確実です。
折り返してしまった場合に確認すべきこと
すでに+1から始まる番号に折り返してしまった場合は、次の点を確認しておきましょう。
- 通話時間と相手番号を確認する
通話履歴から、どの番号にどれくらいの時間発信したかをチェックします。
ワン切り詐欺では、長時間通話させようとする傾向があります。 - 料金明細・マイページを確認する
通話料金は、契約プランや発信国によって変わります。
マイページや請求明細で、実際にどの程度の料金が発生しているかを確認してください。 - 不審な通話だと感じた場合は早めに相談する
「高額な料金が発生している」「よくわからない説明を受けて長時間話してしまった」「クレジットカード番号などを伝えてしまった」といった場合は、消費生活センターや警察相談専用電話に相談することが推奨されています。
個人情報を話してしまった・指示に従ってしまったときの相談先
もし相手に、名前・住所・生年月日・クレジットカード番号・口座番号などの個人情報を伝えてしまった場合は、料金以上に詐欺被害や不正利用のリスクがあります。
「うっかり話してしまったかもしれない」と感じた時点で、早めに相談しておくと、カードの停止や口座の一時凍結など、被害を防ぐための対応がとりやすくなります。
具体的には、次のような相談先が考えられます。
- 警察相談専用電話:#9110
- 消費者ホットライン:188(いやや!)
- クレジットカード会社・利用している金融機関
身に覚えのない請求や、不審なメール・SMSがセットで届いている場合も、早めに相談して状況を伝えておきましょう。
知らない+1から始まる電話番号が来たときの判断基準と対処フロー
出るべきか迷ったときのチェックポイント
知らない+1から始まる番号からの着信があったとき、次のような視点で落ち着いて判断すると、余計なトラブルを減らせます。
- 心当たりがあるかどうか
直近でアメリカ・カナダの企業やサービスに自分の電話番号を登録した、海外在住の家族・知人と連絡を取る約束をしたなど、具体的な心当たりがなければ、基本的には出さなくて問題ありません。 - 連続して何度もかかってきていないか
同じ番号から何度も連続でかかってくる場合、詐欺目的の可能性が高くなります。
一方、ビジネスや知人からの本当の連絡であれば、メールやSMSなど別の手段で連絡が来ることも多いです。 - 番号を検索してみる
着信履歴の番号を、そのままインターネットで検索してみると、「不審電話として報告されている番号」かどうかがわかるケースもあります。
これらを総合して、「少しでも怪しい」と感じたら、出ない・折り返さないという選択が最も安全です。
基本の行動パターン「出ない・折り返さない・検索する」
+1から始まる知らない番号への対応として、シンプルに次の3つを基本ルールにしておくと安心です。
- 原則として出ない
海外とのやり取りが日常的にない人は、+から始まる番号には出ない設定でも問題ないケースが多くなります。 - 絶対に折り返さない
ワン切りや不審な着信に折り返すことが、国際通話料金や詐欺の入口になることが多いため、「折り返さない」を徹底することが重要です。 - 必要に応じて番号を検索し、ブロックする
一度着信した番号は、その場で「迷惑電話」「スパム」といった情報が出てこないか確認し、不要と判断したらスマホやキャリアの機能でブロックします。
これだけでも、被害に遭う可能性を大きく下げることができます。
職場の電話の場合に決めておきたいルール
会社や店舗の代表番号に+1から始まる電話がかかってくることもあります。
業務上、すべてを無視するのは難しい場合があるため、次のようなルールを事前に決めておくと安心です。
- 海外との取引がない部署・事業の場合、「+から始まる番号には出ない」方針にする。
- 出てしまった場合でも、名前や部署名・代表者名・メールアドレス以上の情報は伝えないことを徹底する。
- 「料金未納」「訴訟」「差押え」などを急に告げられた場合は、その場で対応せず、いったん切ってから正式な窓口に自分で確認する。
社内でこうしたルールを共有しておくと、担当者ごとに対応がバラバラになることを防ぎ、被害のリスクを減らせます。
今後のためにできる対策(スマホ設定・契約・家族への共有)
スマホ本体でできる迷惑電話ブロック設定
多くのスマホには、迷惑電話対策のための機能が標準で備わっています。
- iPhoneの場合
設定 → 電話 → 「不明な発信者を消音」などの機能を利用できます。
この機能をオンにすると、連絡先に登録されていない番号からの着信がサイレントになり、履歴には残るため、後から必要なものだけ折り返す形にできます。 - Androidの場合
メーカーや機種によって名称は異なりますが、電話アプリの設定メニューから「迷惑電話のブロック」「スパム防止」などの項目をオンにすることで、怪しい番号からの着信を自動で警告・拒否できます。
特に+から始まる番号が頻繁にかかってくる場合は、「国際電話番号をブロック」できるアプリを組み合わせるのも有効です。
通信キャリアや固定電話で使える迷惑電話対策サービス
ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなどの通信会社、さらに固定電話サービスでも、迷惑電話対策のオプションが用意されています。
内容は各社で異なりますが、一般的には次のような機能があります。
- 迷惑電話データベースを参照して、危険な番号からの着信に警告表示を出す。
- 特定の番号や、国際電話番号からの着信をまとめて拒否する。
- 固定電話の場合、国際電話の着信自体を停止する。
国際電話を利用する予定がない場合は、「国際電話の利用休止」を申し込むことで、そもそも海外からの電話を受けない設定にすることも可能です。
特に高齢の家族の固定電話などでは、こうした設定が有効に働きます。
家族で共有しておきたいルール
+1から始まる電話番号だけでなく、+から始まる不審な国際電話への対策は、家族全員で共有しておくと安心です。
例えば、次のような簡単なルールを紙に書いて電話のそばに貼っておくのも一つの方法です。
- 頭に+が付く知らない番号には出ない・折り返さない
- お金や個人情報に関する話が出たら、その場では絶対に応じず、いったん電話を切って家族に相談する
- 不安を感じたら、#9110(警察相談)か188(消費者ホットライン)に相談する
こうした決めごとがあるだけで、急な電話でも慌てずに対応しやすくなります。
まとめ:+1から始まる電話番号を正しく理解して落ち着いて対処する
+1から始まる電話番号は、アメリカ・カナダなど北米地域を示す国番号であり、正当な連絡である可能性もあります。
一方で、国際ワン切り詐欺や自動音声による架空請求など、特殊詐欺に悪用されるケースが増えているため、「心当たりのない+1の着信」は出ない・折り返さないのが基本です。
日本国内にいる状態であれば、電話に出ただけでいきなり高額な国際通話料が請求される可能性は高くありませんが、海外ローミング中は着信にも料金がかかるため、より慎重な対応が必要です。
すでに出てしまった・折り返してしまった場合は、通話時間・料金明細を確認し、不審な点があれば公的な相談窓口やカード会社・金融機関に早めに相談することが大切です。
今後の被害を防ぐには、スマホの迷惑電話ブロック設定、キャリアや固定電話の迷惑電話対策サービスの利用、国際電話利用休止、そして家族間でのルール共有が有効です。
「+1から始まる電話番号」は、仕組みとリスクを正しく理解すれば、過度に恐れる必要はありません。
この記事を参考に、落ち着いて状況を整理し、必要な対策と相談を取ることで、被害のリスクを大きく抑えることができます。
ドコモ:迷惑電話ストップサービス
au:迷惑電話撃退サービス
ソフトバンク:迷惑電話ブロック
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