AWSのツール群には多くの機能が存在しますが、中心的な位置を占めるのが「AWS CLI」です。この記事では、AWS CLIとは何か、そのインストール方法からS3へのアップロード、Client VPNの設定、そしてMFAまでのステップバイステップの使い方を解説します。また、CLIをより効果的に活用するためのコマンド一覧やプロファイルの設定方法もご紹介します。
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はじめに:AWS CLIとは?
AWS CLI、その名の通り、Amazon Web Services (AWS) のコマンドラインインターフェース (CLI) として提供されています。このツールは、AWSのサービスをコマンドラインから直接操作することを可能にします。GUIベースのAWS Management Consoleを使用することなく、さまざまなAWSリソースの作成、管理、監視が行えます。これにより、自動化スクリプトの中でAWSサービスを操作するなど、柔軟な操作が可能となります。
AWS CLIの導入方法
前提条件:
- Pythonのバージョン2.6.5以上またはPython 3.3以上がインストールされていること
- pipがインストールされていること
インストール手順:
pip install awscli --upgrade --user
このコマンドで、最新のAWS CLIがインストールされます。
複数のAWSアカウントや異なる環境での作業を行う際、AWS CLIプロファイルは非常に役立ちます。プロファイルを使うと、異なる認証情報や設定を簡単に切り替えることができます。
プロファイルの設定方法
aws configure --profile [プロファイル名]
上記のコマンドを実行後、指示に従ってAccess Key、Secret Key、リージョン、出力フォーマットを入力します。
プロファイルの使用方法
aws s3 ls --profile [プロファイル名]
上記のように、コマンドの末尾に --profile [プロファイル名]
を追加することで、指定したプロファイルでコマンドを実行できます。
AWS CLIコマンド一覧:日常でよく使うコマンド
AWS CLIには多数のコマンドが存在しますが、以下は日常的によく使用される基本的なコマンドを一覧にしています。
- S3:
- バケット一覧表示:
aws s3 ls
- バケット作成:
aws s3 mb s3://[バケット名]
- バケット内のファイルアップロード:
aws s3 cp [ローカルファイルパス] s3://[バケット名]/[保存先パス]
- バケット一覧表示:
- EC2:
- インスタンス一覧表示:
aws ec2 describe-instances
- インスタンス起動:
aws ec2 start-instances --instance-ids [インスタンスID]
- インスタンス停止:
aws ec2 stop-instances --instance-ids [インスタンスID]
- インスタンス一覧表示:
このように、AWS CLIは数多くのサービスやリソースに対応しており、日常的なオペレーションから高度な設定まで、コマンドラインから効率的に操作することができます。
AWS CLIを使ったS3操作
Amazon S3はAWSの高耐久性ストレージサービスで、データのバックアップやWebアプリケーションの静的コンテンツホスティングなど、多岐にわたる用途で利用されています。AWS CLIを使用することで、S3のリソースを効率的に操作することができます。
- S3バケットの作成:
aws s3api create-bucket --bucket [バケット名]
- S3バケットの一覧表示:
aws s3 ls
- データアップロード:
aws s3 cp [ローカルファイルパス] s3://[バケット名]/[保存先パス]
上記コマンドは、AWS CLIを用いた基本的なS3の操作を示しています。これにより、迅速かつ効率的にS3リソースの管理が可能となります。
AWS Client VPNとの連携:安全な接続のための設定
AWS Client VPNは、セキュアなVPN接続を提供するAWSサービスです。AWS CLIを使用することで、Client VPNのエンドポイントの作成や接続の管理など、一連の操作をコマンドラインから行うことができます。
- Client VPNエンドポイントの作成:
aws ec2 create-client-vpn-endpoint [オプション]
- 接続クライアントの一覧表示:
aws ec2 describe-client-vpn-connections --client-vpn-endpoint-id [エンドポイントID]
上記の操作を通じて、AWS環境内での安全な通信が実現されます。これにより、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。
AWS CLIとMFA(多要素認証)の統合
セキュリティはクラウド環境において最も重要な要件の一つです。MFA(多要素認証)は、アカウントの安全性を向上させるための手段として広く導入されています。AWS CLIでも、MFAを有効化して操作を行うことができます。
- MFAデバイスのアソシエート:
aws iam enable-mfa-device --user-name [ユーザー名] --serial-number [MFAデバイスのシリアル番号] --authentication-code1 [コード1] --authentication-code2 [コード2]
- MFAを用いたCLI操作: 通常のCLIコマンドに先立ち、一時的なセキュリティ資格情報を取得します。これを使用して、MFA保護下のリソースにアクセスします。
上記の手順に従うことで、AWSリソースへのアクセスセキュリティが一層強化されます。
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